ネタバレもありますので先に試し読みをしたい方はこちら。
サイト内より【レイリ】と検索
『レイリ』ネタバレ
織田信長が武田軍を破ったかの長篠の戦いから四年後の、天正七(1579)年。
武田家で武勇を轟かせる岡部丹波守のもとで、剣の腕を磨きながら戦に出ることを夢見る少女レイリ。
彼女はかつて両親と弟を目の前で殺され、丹波守に恩を感じながらも、敵を「殺して殺しまくって!」「そして最後は丹波さまの盾になってちゃんと死にます!ちゃんと最後死にますから!」と、暗い欲望を抱く。
かつての名門、武田家の命脈が尽きようとする中、レイリには意外な役目が与えられる。
『レイリ』感想
原作が『寄生獣』岩明均の戦国もの、というだけで読む価値があると感じる人は多いと思いますが、作画の室井大資もとても良いです。そして二人のあとがきも必読。
岩明均はあとがきで「室井大資さんは、原作者の私とは、だいぶ資質が違う」としていますが、少なくとも原作に対して、作画はマッチしているように感じます。
業界内での高い人気と、『秋津』で一気にコアなファンを増やした感のある室井大資は、作品のなかで岩明均と、その大傑作である『寄生獣』に並々ならぬリスペクトを込めて描いています。あとがきでも嬉しそう(ガールズバーで自慢したくなるのもわかります)
個人的には『ブラステッド』の強烈な暴力描写が忘れられず、この『レイリ』でそれが復活したことをとても喜んでいます。
とにかく暴力、暴力、暴力の連続。
ともすれば省略したくなる、描く人も含めて目を逸らしたくなるような描写から、全く逃げないことに室井大資のすばらしさがあります。だからこそ、主人公含め、歪とも言える暗い欲求やトラウマに説得力が生まれるのです。
開幕から何ページとも知れず続く戦いと殺し、戦国の世のあさましいまでの残酷さ、暗い目をした(でも何だかかわいい)レイリ。腹の底がどんより重くなるような感覚とともに、「早く終わってくれ」「助かってくれ」と願いながら、ページを繰る手が止まりません。特にレイリの家族が惨殺されるシーンは、本当に気分が悪くなるほど凄惨です。
岩明均は『寄生獣』でも言っていた通り、「出来事を描きたい」作家であるとのこと。主人公であるレイリにもモデルがいるそうで、戦国時代という大きなうねりの中であがく、小さな少女というスタンスの物語になりそうです。
希代の名手が残酷な世に翻弄される少女を描き、どのような終末を迎えるのか、目が離せない作品です。
"東京喰種"の有馬貴将が主人公の作品があることを御存知ですか?
東京喰種JACKが今だけ無料で配信されている・・・だと・・・?